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障害年金の「永久認定」とは?有期認定との違いやメリットについて解説

障害年金に「永久認定」があるのをご存じですか?

「永久認定」で障害年金が認められると、更新の手続きが不要となり一生涯年金を受けることができます。

しかし、障害年金をもらっている人の大部分は「有期認定」で、1~5年ごとに更新手続きをしています。

この記事では、障害年金の永久認定とは具体的にどのようなものなのか、有期認定との違いや、どのような場合に永久認定が認められるのかを詳しく解説していきます。

さらに、永久認定の大きなメリットや、認定後に障害が悪化した場合の対応についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。

障害年金における「永久認定」とは?

障害年金における「永久認定」とは、障害の状態が将来にわたって改善する見込みがなく、固定されていると認められた場合に適用される特別な認定のことです。

MEMO

通常、障害年金は1~5年ごとに障害状態を確認するための「障害状態確認届」(現況届)の提出や再審査が必要となります。

「永久認定」の場合は更新手続きが不要となり、生涯にわたって障害年金を受給し続けることができます。

日本年金機構が公開した障害年金業務統計によると、新規で障害年金を受給される人のうち、「永久認定」となるのは全体の約9.2%とされています。

つまり、大部分の障害年金受給者が有期認定として定期的な更新手続きを行っていることがわかるでしょう。

なぜ「永久認定」と「有期認定」があるの?

障害年金に「永久認定」と「有期認定」の二つの区分が存在するのは、障害の性質と今後の医学的な見通しに応じて、最も適切な形で年金支給を行うためです。

病状の進行や治療による改善、あるいは悪化の可能性など、時間の経過とともに障害の状態が変化する可能性があるため、きめ細やかな対応が必要とされます。

MEMO

例えば、手術によって機能が回復する可能性のある疾患や、症状の波がある精神疾患などでは、定期的な診断書の提出によって現在の障害状態を確認する必要があります。

これにより、障害の状態に見合った適切な障害年金が支給され、社会保障制度の公平性が保たれます。

一方で、一度回復が困難と診断された障害に対しては、受給者の負担を軽減し、安定した生活を保障するために「永久認定」が設けられているのです。

障害年金が永久認定となるケースとは?

障害年金が永久認定となるのは、医学的に見て障害の状態が今後変化せず、回復の見込みが全くないと判断されるケースです。

具体的には、手足の切断による肢体欠損、完全に失明している状態、人工関節を置換したことによる機能障害などが挙げられます。

これらの障害は、時間の経過によって症状が大きく変動することがないため、定期的に診断書を提出して障害状態を確認する意味がありません。

そのため、永久認定が決定すると、その後は更新手続きを行うことなく、生涯にわたって障害年金を受給し続けることができます。

これは、受給者の方が将来の不安なく生活設計を立てられるよう、国が配慮している重要な仕組みといえるでしょう。

障害年金が有期認定となるケースとは?

障害年金が有期認定となるのは、症状が時間とともに変化する可能性のある障害が対象です。

具体的には、精神疾患(うつ病、統合失調症など)、腎疾患、心疾患、がんなどがこれに該当します。

これらの疾患は、治療の進捗や病状の経過によって、障害の程度が軽快したり、反対に悪化したりすることがあります。

そのため、年金制度の公平性を保ち、受給者の現在の状態に合わせた適切な障害年金を支給するために、一定期間ごとに障害状態確認届(診断書)の提出が求められ、障害の程度が再評価されます。

この更新手続きによって、症状が改善していれば等級が下がったり、場合によっては支給が停止されたりすることもあります。

つまり、永久認定とは異なり、受給者は定期的に自身の障害状態を証明する必要があるということです。

この有期認定の仕組みは、症状が変動する可能性のある障害に対し、柔軟かつ適切な支援を継続していくことを目的としています。

障害年金の更新については、障害年金の更新は難しい?手続きの流れや注意するポイントをご紹介でわかりやすく解説しています。

MEMO

ゆうき事務所では、「障害年金の更新」のご依頼は受け付けておりません。

何卒ご了承くださいませ。

障害年金の永久認定が認められやすい疾患はある?

障害年金の永久認定が認められやすいのは、主に回復の見込みがなく、医学的に状態が固定していると判断される重度の身体障害や難治性疾患です。

具体的には、以下のような疾患や状態が該当します。

疾患名など状 態
手足の切断や四肢の欠損事故や疾患により、手足が完全に失われている状態など
重度の視覚障害両眼の失明など、回復が期待できない高度な視力障害
人工関節の置換や人工臓器の装着身体機能の著しい喪失を補うために、人工的なものが恒久的に埋め込まれている状態
脊髄損傷による完全麻痺身体の特定の部位が完全に麻痺しており、回復が困難な場合
医学的に回復の見込みがない難治性の疾患や先天性の重度障害進行性の難病や、生まれつきの重い障害で、現在の医療では治癒が不可能と判断される場合

このようなケースでは、将来にわたって症状が大きく変化することがないため、永久認定の対象となる可能性が高い傾向といえます。

精神疾患でも永久認定になることはある?

精神疾患の場合、障害年金の永久認定は非常にハードルが高いものの、例外的に認められるケースも存在します。

うつ病や双極性障害、統合失調症などの精神疾患、あるいは高次脳機能障害は、一般的に症状の波があったり、治療によって改善の可能性があると考えられています。

そのため、精神疾患はほとんどの場合「有期認定」となり、定期的な診断書の提出が必要です。

しかし、重度で長期間にわたり症状が固定しており、医学的に回復の見込みが全くないと医師が判断した場合に限り、永久認定となることがあります。

これはあくまで一般的な傾向であり、個々のケースにおいては、詳細な病状や治療経過、医師の診断に基づいて個別に判断されます。

精神疾患における障害年金の永久認定は稀なケースですが、決してゼロではありません。

障害年金「永久認定」の大きなメリットは3つ

障害年金の「永久認定」には、以下のような大きなメリットが3つあります。

  • 更新手続きの負担がなくなる
  • 受給の安定性・将来設計のしやすさ
  • 生活の質の向上

それぞれ見ていきましょう。

更新手続きの負担がなくなる

障害年金の永久認定の最大のメリットの一つは、定期的な更新手続きから完全に解放されることです。

有期認定の場合は、数年に一度、現在の障害状態を証明するための「障害状態確認届」(診断書)を主治医に作成してもらい、年金事務所に提出する必要があります。

しかし、永久認定を受けると、これらの手続きが一切不要となります。

受給者ご本人だけでなく、そのご家族にとっても、更新時期が近づくたびに感じる不安や、手続きに伴う時間的・経済的な負担が大幅に軽減されることを意味します。

障害年金を安心して受け取り続けられることは、日々の生活での不安を減らし、大きな安心感をもたらすでしょう。

障害年金受給の安定性・将来設計のしやすさ

障害年金の永久認定は、受給者にとって生涯にわたる経済的な安定をもたらし、将来の生活設計を格段に立てやすくするという大きなメリットがあります。

永久認定であれば、障害年金が生涯にわたって途切れることなく支給されます。

安定した収入の見通しは、住居費、医療費、日々の生活費といった固定支出の計画を容易にし、長期的な視点での資産形成や、万一の際の備えなど、より現実的な将来設計を可能にします。

特に重度の障害を持つ人にとって、永久認定による障害年金の継続的な受給は、生活の基盤を磐石にし、安心して毎日を過ごすための大きな支えとなるでしょう。

生活の質の向上

障害年金の永久認定は、受給者の生活の質を大きく向上させる効果があります。

永久認定によって経済的な基盤が安定することで、受給者は日々の生活における金銭的な不安から解放されます。

経済的な不安が軽減されることで、自身の治療やリハビリテーションに集中できるようになります。

また、必要な医療費や介護費用、バリアフリー化にかかる費用などの支出も、永久認定による安定した収入があれば計画的に進めることができます。

結果として、心身の健康維持や回復、あるいは現在の状態での快適な生活環境を整えることに注力でき、生活の質をあげることもできるでしょう。

このように、障害年金の永久認定は、受給者の負担軽減と生活の安定、精神的な安心感という点で大きなメリットがあります。

永久認定と有期認定の違い一覧

障害年金の永久認定と有期認定の違いを下表にまとめました。

【永久認定と有期認定の比較表】

項目永久認定有期認定
精神的負担少ない
大きい
(更新の度に不安やストレス)
経済的安定非常に高い(原則生涯支給)比較的低い
(更新で停止・減額の可能性あり)
手続きの手間少ない
(初回のみ)
多い
(定期的に診断書提出などが必要)
更新の有無不要必要(1年~5年ごと)
対象となる傷病症状が安定し、改善の見込みが低いもの症状に変動の可能性があるもの

有期認定と永久認定を比べると、精神的不安が減ったり、経済的に安定したりするなど、大きなメリットがあることがわかります。

永久認定を受けている人の障害が悪化したらどうなる?

障害年金の永久認定を受けている場合でも、もし障害の状態が悪化してしまったら、「額改定請求」を行って等級の見直しを申請できます。

永久認定は基本的に更新手続きが不要な制度ですが、障害の状態が悪化し、現在の等級では実情に合わなくなったと感じる場合は、より重い等級への変更を求めることが可能です。

しかし、額改定請求を行うと、再度障害年金の審査が行われることになります。

この審査の結果、再び永久認定となるかは確約されていません。

場合によっては、有期認定へと変更される可能性もあります。

有期認定となった場合、提出された診断書の内容によっては、現在の等級より下がってしまうというリスクもゼロではありません。

したがって、永久認定を受けている方が額改定請求をするかどうかは、慎重に判断する必要があるでしょう。

参考:障害の程度が変わったとき|日本年金機構

MEMO

主治医とよく相談し、本当に等級変更が必要なほどの悪化なのかを見極めることが大切です。

そして社労士に相談して額改定請求に伴うリスクを理解した上で、最善の選択をしてください。

障害年金は長期的な生活を支える大切な制度ですから、安易な判断は避けましょう。

まとめ

障害年金の永久認定は、障害の状態が医学的に今後も変化せず、回復や改善の見込みがないと判断された場合に適用される認定方式です。

永久認定となると、更新手続きの不安から解放され、生涯にわたる経済的な安心をもたらします。

定期的な書類準備や審査への心配がなくなり、ご自身の治療や日々の生活に集中できる環境は、何物にも代えがたいものとなるでしょう。

  • 永久認定に限らず、障害年金の疑問や不安は障害年金専門の社労士に相談できます。

  • 障害年金の申請については書類の作成が難しいなど、自分や家族だけで解決できないと思ったら、ぜひお気軽にゆうき事務所にご相談ください。

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