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COLUMN

障害年金とは?何歳から請求できる?社労士がわかりやすく解説

障害年金をご存じですか?

年金といえば、年を取ってからもらえるものというイメージがありますが、働き盛りの若い世代でも病気やけがなどで心身に障害があるときには、障害年金を請求できます。

  • 病気やけがで働くなくなったとき
  • 体が不自由になったとき
  • うつ病などの精神疾患があるとき

障害年金は、病気やけがにより一定の障害状態にあると支給されますが、働きながら障害年金の支給を受けられるケースもあります。

この記事では、障害年金の制度や基本的な知識、公的年金の仕組みもわかりやすく解説します。
最後まで読んで、障害年金の理解にお役立てください。


障害年金とは

障害年金は、病気やけがで初めて医療機関にかかった日(初診日)に加入している年金制度により、受け取れる障害年金の種類や年金の額が変わります。

障害年金を理解するには、公的年金の種類や仕組みを知るとわかりやすくなります。

そこで、次章では公的年金について解説します。

公的年金の種類と仕組み

日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建てです。

公的年金には、「加入する年金」「支給を受ける年金」の二つの側面があります。

下図は、加入する公的年金を図解したものです。

図解

参考:公的年金の仕組み  |  厚生労働省

上記の図のように、会社員・公務員の方は、国民年金と厚生年金の2つの年金制度に加入しています。

また、最近よく耳にするiDeCoは、任意で加入できる個人型年金制度です。
国民年金基金や企業年金と共に「公的年金の3階建て部分」と呼ばれることもあります。

加入する公的年金の種類と加入者について、下表にまとめました。

公的年金の種類加入する人
国民年金(基礎年金)20歳から59歳までのすべての人
厚生年金会社員や公務員

一方で、支給される公的年金の種類は下記の3種類です。

公的年金の種類内容
老齢年金原則65歳以上になると受け取れる年金で、老後の生活保障の役割を持つ
障害年金病気やけがで障害が残り、生活や仕事に支障があるときに支給される年金
遺族年金一家の働き手が亡くなったときに、残された遺族に支給される年金

上記のように、年金は高齢になって受け取るものだけではなく、自分や家族が障害状態で働けなくなったり、一家の大黒柱が亡くなったときの生活保障としての役割も持っています。

参考:日本の公的年金は2階建て|厚生労働省

障害年金の種類

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があります。

どちらの障害年金を受けるかは、病気やけがで初めて医療機関で診療を受けた日(初診日)に加入している年金によって、判断されます。

以下は、障害年金の種類を図で表したものです。

障害年金の種類

出典:障害年金の制度の概要|日本年金機構

上の図のように、初診日に国民年金に加入していた人は「障害基礎年金」厚生年金に加入していた人は「障害厚生年金」を受給できます。

たとえば、初診日に自営業や専業主婦の方は「障害基礎年金」、会社員や公務員の方は「障害厚生年金」を請求できます。

障害年金の金額

障害年金の年金額は、支給を受ける年金の種類や障害の等級によっても違います。

下図は、障害年金の支給額を表したものです。

障害等級障害基礎年金(国民年金)障害厚生年金(厚生年金)
1級1,020,000円+
(子の加算額)
報酬比例の年金額×1.25+
(配偶者加給年金額)
2級816,000円+
(子の加算額)
報酬比例の年金額+
(配偶者加給年金額)
3級なし報酬比例の年金額
最低保証額612,000円
障害手当金
(一時金)
なし報酬比例の年金額×2
最低保証額1,224,000円
参照:障害年金ガイド(令和6年度版)|日本年金機構

障害基礎年金と障害厚生年金の違いをそれぞれご説明します。

障害基礎年金のポイント

  • 障害基礎年金は1級・2級があり、年金額は定額
  • 「子の加算額」は18歳になる年度末までの子、または19歳までの障害のある子(1級・2級)がいる場合に加算される

         第一子・第二子 一人につき 234,800円
      第三子以降   一人につき 78,300円(いずれも令和6年度の金額)

障害基礎年金の金額は定額で、等級が同じであれば誰でも同じ年金額です。

参考:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構

続いて、障害厚生年金についてご説明します。

障害厚生年金のポイント

  • 障害厚生年金は1級・2級・3級があり、加入期間や支払った保険料により年金額が変わる
  • 「配偶者加給年金額」は、1級、2級の障害厚生年金を受ける人64歳までの配偶者がいるときに加算される(令和6年度の年金額は234,800円)
  • 3級には「最低保証額」が設けられている
  • 3級よりも軽い障害が残ったときは、一時金として「障害手当金」を受けられる

障害厚生年金の年金額は、これまで年金を支払ってきた期間や給与によって変わるため、人によって大きく変わります。

簡単にいうと、会社勤めが長く、給与が高い人ほど、年金額が多くなる仕組みです。

また、障害厚生年金1級・2級の人は、障害基礎年金も同時に支給されます。要件を満たす配偶者や子がいれば、さらに加算が受けられるので、障害基礎年金だけを受ける人よりも手厚い支給額となります。

なお、障害厚生年金1〜3級よりも軽い障害が残ったときは、「障害手当金」が支給されます。障害手当金は、最低保証額が設けられており、支給は一度だけです。

参考:障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構

障害年金の等級

障害年金の障害の等級と障害の状態の目安を下表にまとめました。

障害の等級(程度)障害の状態の目安
1級・他人の介助がなければ、日常生活をほとんど送れない
2級・必ずしも他人の助けは必要ない
・日常生活を送ることが困難で、働いて収入を得ることは難しい
3級 ※・日常生活に支障が少ない
・働くことに著しい制限を受ける
障害手当金 ※    ・1級から3級に該当しない程度の障害で症状が固定している
・働くことに制限がある
※3級と障害手当金は、障害厚生年金のみ

参考:障害年金ガイド(7ページ参照)|日本年金機構

障害の等級は、「診断書」「病歴・就労状況等申立書」の記載内容をもとに、国(日本年金機構)が総合的な観点で判定します。

診断書は、障害年金の審査での重要書類のひとつで、作成できるのは主治医のみです。
病歴・就労状況等申立書は、障害年金を請求する本人が記載しますが、家族等が代わってかくこともできます。

障害年金は書類審査のみで判定されるため、診断書や病歴・就労状況等申立書の記載内容は大変重要です。

参考:病歴・就労状況等申立書を提出するとき|日本年金機構

障害年金についていただくご質問

障害年金の制度について、よくいただくご質問を集めました。

順番にそれぞれくわしく回答します。

障害年金の請求は何歳から?年齢制限はある?

障害年金の請求は、原則20歳から64歳まで請求できます。

65歳を過ぎても、障害年金の請求ができるケースはあります。

詳しくは下記の参考サイトをご覧ください。

参考:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
参考:障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構

障害者手帳を持っていないけど、障害年金は請求できる?

障害年金は、障害者手帳を所持していなくても、請求できます。

障害年金の請求に必要な主な要件は、下記のとおりです。

障害年金の請求に必要な主な要件
  1. 初診日に国民年金か厚生年金に加入していること
  2. 初診日から1年6か月以上が経過している
  3. 一定の期間、保険料を納めている
  4. 国の定める障害等級に該当している

障害年金の請求に必要な要件に「障害者手帳の所持」はないため、障害者手帳がなくても障害年金は請求可能です。
ただし、障害者手帳の等級や有無が、障害年金の審査の際に参考になることはあります。

障害者手帳と障害年金は、違う制度で運営されており、障害の判定基準も全く違います。
そのため、障害者手帳と障害年金が同じ等級になるとは限りません。

参考:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
参考:障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構

いま働いているけれど、障害年金はもらえる?

結論として、障害年金は働いていても受給できます。

政府の統計によると、64歳までの障害年金を受給している人のうち、43.1%の人が働いていることがわかっています。

足が不自由で車いすで生活される方や目や耳に障害がある方などは、働いていることが障害年金の審査に影響することは少ないです。

一方で、うつ病などの精神疾患や、がんや糖尿病、心疾患などの内科系疾患では「働ける状態」であることが、「障害の状態が軽い」と判断され、障害年金の認定に影響を及ぼすケースも多く見られます。

そのため、障害年金の請求を請求する際に、仕事の内容や勤務時間、職場で受けている援助や配慮などを主治医に伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。

参考:年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)令和元年度 集計結果の概要|e-Stat(政府統計ポータルサイト)

まとめ

障害年金は、現役世代が病気やけがで障害の残る状態になったときに支給され、生活保障の役割を果たす年金です。

障害年金は、自分や家族が病気やけがで働けなくなったり、体が不自由になったときだけではなく、うつ病などの精神疾患がある場合でも請求できます。

障害年金の請求には、年齢や保険料納付状況、障害の状態などの要件を満たすことが求められます。

障害年金の裁定は書類審査のみで行われるため、診断書や病歴・就労状況等申立書にどんな内容が記載されるのかは、大変重要です。

心身に障害があり、生活や仕事に制限がある方は、障害年金の請求を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

障害年金がもらえるか判断が難しいとき、年金事務所等への提出書類に迷うときには、ゆうき社会保険労務士事務所へご相談ください。