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就労移行支援と障害年金は併用できる!申請前に知っておきたいポイント5選 [社労士監修]

「就労移行支援に通い始めたのですが、障害年金は止まってしまいますか?」
「働く訓練をしていると、“もう働ける”と判断されるのでは…?」
「申請や更新に影響がありますか?」

就労移行支援を利用している方の多くは、障害年金との関係についてこのような不安や疑問を抱いています。

しかし結論はシンプルです。

就労移行支援を利用していても障害年金は受け取れます。

さらに、年金という経済的な基盤を確保すれば、焦らず訓練に集中し、自分に合った就職先をじっくり選べるメリットもあるのです。

しかし、「通所できている事実」が審査で誤解されないよう、申請には戦略的な伝え方が不可欠です。

この記事では、障害年金専門の社労士が、「障害年金申請前に知っておきたい5つの重要ポイント」を解説します。お金の不安を解消し、安心して就労へのステップを進めるため、ぜひ最後までお読みください。

目次

就労移行支援に通っていても障害年金は受け取れる

就労移行支援を利用していても障害年金がもらえる理由は、次の3つがあります。

順番に見ていきましょう。

害年金の受給資格と福祉サービスの利用は無関係

就労移行支援を利用していても、障害年金は受け取れます。

障害年金の受給資格は、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害認定日要件」の3点で判断されます。

この中に、「就労移行支援に通っていないこと」という条件は一切含まれていません。制度の仕組みとして、福祉サービスの利用有無は受給資格とは無関係です。

障害年金の受給要件や制度については、障害年金とは?何歳から請求できる?社労士がわかりやすく解説で詳しく説明しています。

動画で知りたい方は、ゆうき事務所代表社労士の解説動画をご覧ください。

就労移行支援は「訓練」であり「就労」ではな

就労移行支援は「働くための準備・訓練」を提供する場であり、雇用契約に基づく「就労」とは明確に区別されます。

就労移行支援の目的は、生活リズムを整え、職業スキルやコミュニケーション能力を習得する「訓練」です。これは、企業と雇用契約を結ぶ「就労」とは、法的な位置づけが明確に異なります。

この違いが、障害年金と就労移行支援の併用を可能にする根拠です。
年金審査において、「訓練として通所できている」ことは、「一般企業で継続して働ける」証明にはなりません。

むしろ、就労移行支援という手厚いサポートが必要な状態だと判断されるケースもあります。そのため、障害年金の審査で不利になることはなく、むしろ訓練記録などがご自身の状態を正確に伝えるために役立つこともあるのです。

多数の受給事例があり、支援記録が申請に役立つ

就労移行支援利用中に障害年金を受給した事例は多く、訓練中の「支援記録」は申請の強力な裏付け資料になります。

就労移行支援の利用中に障害年金を受給したケースは多数存在します。これは、制度として併用が認められていることの何よりの証拠です。

重要なのは、訓練中に事業所で作成される「支援記録」や「個別支援計画」です。

これらの記録には、「集団行動が難しい」「作業の継続に支援が必要」「欠席や体調不良の頻度」など、あなたの障害の状況や困難さが客観的に記されています。

診断書だけでは伝わりにくい「どの程度の支援が必要か」という具体的な実態を、第三者の記録として証明できます。

この就労移行支援の記録を有効活用することで、障害年金の審査でより説得力を増すでしょう。

このように就労移行支援を利用しながら、障害年金は受け取れますが、安心するのはまだ早いです。

社労士溝上裕紀
溝上社労士

「通所できている事実」が、年金の審査官に「元気そうだ」という誤った印象を与えてしまうリスクもゼロではありません。だからこそ、申請書類での「伝え方」が重要になります。

 

障害年金の申請前に知っておきたい重要ポイント5選

メモに電球

就労移行支援を利用しながら障害年金を申請する場合に知っておくべきポイントは次の5つです。

順番に見ていきましょう。

「通所できている=働ける」ではない

就労移行支援への通所は、手厚い配慮がある上での「訓練」であり、一般企業で「働ける」こととは明確に区別されます。

障害年金の審査では、就労移行支援への通所の事実だけで「働ける」とは判断されません。

理由は、訓練の場と職場の決定的な違いがあるからです。

種類詳細
就労移行支援(訓練の場)・手厚い配慮(休憩の自由、個別支援)がある・成果を求められず、体調を最優先できる
一般企業での就労(仕事)・成果や継続性を強く求められる・手厚い配慮はない

障害年金の審査で重要視されるのは、「サポートなしで、一般企業で安定して働き続けられるか」という点です。

したがって診断書などの申請書類で、就労移行支援では「どのような配慮やサポートを受けて通所できているか」を具体的に伝えることが、年金受給への鍵となります。

【社労士のアドバイス】
「休まず通所している」ことは立派な実績ですが、病歴・就労状況等申立書では、通所後の疲労度」や「自宅での過ごし方(帰宅後は寝込んでしまう等)」も合わせて記載し、就労能力にはまだ制限があることを記載しましょう。「できること」だけではなく、「できないこと」は何かを伝えることが大切です。
 

 

医師への「伝え方」が重要

主治医には「頑張っていること」だけでなく「日常生活や訓練での困難」を正直に伝えましょう。

障害年金の申請において、「診断書」は最も重要な書類です。
診断書はあなたの主治医が作成しますが、その記載内容はあなたが診察時に日頃の様子をどう伝えるかで大きく変わります。

診察時間が短いと、つい「就労移行支援に今日も行けました」「体調はまあまあです」と前向きな言葉だけで報告しがちです。
しかし、それだけだと医師はカルテに「病状安定」「意欲あり」と記載し、「労働能力がある」と取れる診断書を作成してしまうリスクがあります。

大切なのは、「行けている事実」の裏にある「苦労している点」も正直に伝えることです。

例えば、就労移行支援を利用中に以下のようなことはありませんか?

  • 通所中、別室で頻繁に休憩をもらっている。
  • プログラムについていけず、スタッフの個別指導を受けている。
  • 人間関係のトラブルが多く、支援員に仲介してもらっている。

これらの「苦労している点」が診断書に反映されれば、「就労移行支援を利用していても、まだ一般就労には課題が多い」という正しい現状が障害年金の審査側に伝わります。

診察時に話すのが難しければ、書面にまとめて渡すのが効果的です。

「A型・B型」と「就労移行支援」の扱いの違い

就労移行支援は雇用契約がない「訓練」なので、雇用契約を結ぶA型よりも障害年金の審査でプラスになることが多いです。

障害福祉サービスには、「就労移行支援」のほかに「就労継続支援A型」や「B型」がありますが、障害年金の審査における扱いは異なります。

サービスの種類雇用契約障害年金の審査での見方
就労継続支援A型あり「就労している」と見なされやすく、審査のハードルは比較的高くなる
就労継続支援B型
就労移行支援
なし「訓練・リハビリ」と見なされる

就労移行支援やB型は、雇用契約を結ばず、賃金ではなく工賃や訓練費を受け取るため、あくまで「働くための準備・訓練」と判断されます。

特に就労移行支援は、一般就労を目指すための準備期間であるため、「今はまだ働くことが難しい」状態の証明として、障害年金の申請にプラスに働くケースが多くあります。

「障害基礎年金」か「障害厚生年金」かでハードルが変わる

初診日の加入状況で変わる年金の種類によって、就労移行支援利用時の障害年金の認められやすさが変わります。

あなたが申請する障害年金が、どの種類かによって、就労移行支援に通っている場合の審査上のポイントが変わります。

ご自身の初診日(初めて医師の診察を受けた日)に加入していた年金の種類を確認しましょう。

年金の種類対象となる等級主な認定基準就労移行支援の扱いの傾向
障害基礎年金
(初診日に国民年金に加入)
1級・2級日常生活に著しい制限があること
(重い基準)
通所できている事実よりも、「家族やスタッフの援助がいかに必要か」を証明することが重要。
障害厚生年金
(初診日に厚生年金に加入)
1級・2級・3級労働に著しい制限があること
(3級)
就労移行支援の利用は、「労働に制限がある状態」に合致しやすいため、認められやすい傾向
  • 障害基礎年金(2級)は、日常生活の困難さが重視されます。
    就労移行支援に通えていても、家事や身の回りのことにどのくらい援助が必要かを伝えることが大切です。
  • 障害厚生年金(3級)は、働くことの困難さが重視されます。
    就労移行支援は、まさに「一般就労が難しい状態での訓練」であるため、障害年金の基準(労働制限)と合致しやすいです。

 

【社労士のアドバイス】
申請する障害年金の種類によって、審査の焦点が変わります。
就労移行支援に「通えている事実」だけでなく、「どのような援助や困難があるか」を、日本年金機構の基準に合わせて申請書類に正確に記載しましょう。

参考:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
参考:障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構

就職できたあとも、すぐに年金は止まらない

就職しても障害年金はすぐには打ち切られません。次回の更新時に、働き方や配慮の状況を総合的に審査されます。

障害年金は就職した後も更新日までの間は、原則として年金は支給され続けます。

障害年金の支給期間には期限があり、通常、1年~5年ごとに「更新」が行われます。就職後、年金が停止されるかどうかは、次回の更新のタイミングで判断されるのです。

障害年金は、あなたが就労移行支援を経て「仕事に就けたものの、まだ体調や収入が不安定な状態」の期間を経済的に支える役割も担っています。

【障害年金の更新で確認される点】

ポイント詳  細継続受給の可能性
就労の安定性一時的ではなく、体調を崩さずに継続して働けているか不安定な場合は継続の可能性あり
職場の配慮障害者雇用か、あるいは業務量軽減など特別な配慮を受けているか手厚い配慮があれば継続の可能性あり
体調の波仕事のストレスで病状が不安定になっていないか病状に波がある場合は継続の可能性あり

就労移行支援を通じて就職し、配慮のある環境で働いている場合は、障害年金を受給し続けられるケースも多くあります。「将来の安定就労までの命綱」として、障害年金を受給することを検討しましょう。

障害年金の更新については、障害年金の更新は難しい?手続きの流れや注意するポイントをご紹介で詳しく解説しています。

就労移行支援利用中に障害年金を申請するメリット

「メリット」と書かれたメモ

「まずは就職を目指すのが先で、年金は後回しでいいのではないか?」 と考える方もいますが、専門家の視点から見ると、就労移行支援に通っている「今」こそ、障害年金の申請を検討すべきタイミングと言えます。

その理由は、以下の3つの大きなメリットがあるからです。

それぞれ見ていきましょう。

経済的な不安を解消し、訓練に集中できる

障害年金を受給することで経済的なプレッシャーから解放され、就労移行支援の訓練に心身ともに集中できる環境が整います。

就労移行支援では、原則として給料(工賃)が発生しません。
そのため、「来月の生活費は大丈夫か」「貯金が尽きる前に働かなければ」といった経済的な不安が、回復や訓練の大きな妨げとなります。

この「お金の心配」は、精神的に大きな負担です。

障害年金を受給し、毎月の生活費を確保することで、経済的なプレッシャーから解放されます。生活基盤が安定することで、心穏やかに就労移行支援のプログラムに集中できるようになり、訓練効果を最大限に高めることができるでしょう。

障害年金による経済的な安定は、就労移行支援での成功に欠かせない土台となります。

焦って就職先を決める「ミスマッチ」を防げる

障害年金による経済的余裕があれば、就職を焦らず、ご自身の特性に合った職場をじっくり選ぶことができ、早期離職(ミスマッチ)を防げます。

経済的な余裕がないと、「とにかく早く働かなければ」という焦りから、十分な検討をせずに就職先を決めてしまいがちです。

この焦って決めた就職こそが、就労移行支援を卒業したあとに「仕事内容や環境が合わずにすぐに辞めてしまう(ミスマッチ)」という問題を引き起こす大きな原因です。

社労士溝上裕紀
溝上社労士

自分の特性や体調に合わない職場を選んでしまうと、短期間で退職し、かえって心身の負担を増やすことになりかねません。

障害年金を受給し、生活基盤を確保することは、「自分に合う会社が見つかるまで時間をかけよう」という精神的な余裕を生み出します。

障害年金という後ろ盾のもと、長く働き続けられる安定した職場探しをしましょう。

万が一の時の「命綱」になる

就職後に万が一体調を崩して離職しても、障害年金があればすぐに生活が困窮する心配がなく、再スタートのための「命綱」となります。

就労移行支援を通じて就職できたとしても、新しい環境での緊張やストレスから、体調を崩してしまうリスクは残念ながらゼロではありません。

もしも、就職後に休職や退職を余儀なくされた場合、収入が途絶えれば、生活はすぐに困窮してしまいます。

しかし、障害年金を受給していれば話は別です。

  • 生活費のベースが確保されているため、焦らず治療に専念できる
  • 「もしダメでも、少し休んで年金で生活しながらまた探せばいい」という精神的な余裕が生まれる

「ダメでもやり直せる」というセーフティーネット(安全網)があることは、社会復帰へのチャレンジを後押しする最強の「お守り」となります。

就労移行支援で訓練を受けながら障害年金を申請することは、安定した生活とキャリアを再スタートさせるための賢明な選択です。

就労移行支援を利用しながら障害年金を申請する流れ

就労移行支援に通所しながら障害年金の申請を進める場合も、基本的な流れは通常の手続きと同じです。

手続きの大きな流れは以下の通りです。

それぞれ見ていきましょう。

1. 初診日を確認し、年金事務所等で相談

まず、初診日(障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診察を受けた日)を特定します。

初診日によって申請する年金の種類や必要な書類が変わるため、年金事務所等で相談し、手続きの対象となるかを確認します。

2. 診断書や病歴・就労状況申立書などの必要書類を準備

申請に必要な診断書や戸籍謄本などの書類を収集します。

「病歴・就労状況等申立書」には、就労移行支援に通所している状況を端的に、かつ「配慮が必要な状態である」ことを正確に記載することが重要です。

病歴・就労状況等申立書の詳細は、病歴・就労状況等申立書は障害年金の重要書類!書き方や記入例もご紹介をご覧ください。

ゆうき事務所代表社労士が、動画でも解説しています。

3. 年金事務所等に請求書と必要書類を提出する

すべての書類が揃ったら、年金事務所などの窓口に提出し、審査を待ちます。

年金の請求書の提出までには早くて3か月、審査が完了するまでにはさらに3か月ほどかかります。

社労士からのアドバイス
障害年金の申請プロセスには多くの専門知識が必要となります。特に就労移行支援を利用している方は、訓練の状況をどのように書類に反映させるかが重要です。

障害年金の手続きの詳細は、障害年金の手続きの流れを徹底解説!申請から受給までの7ステップをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q:就労移行支援の通所日数で障害年金がもらえないと判断されますか?

 日数だけで判断されることはありません。
病状や支援の必要性なども含めて総合的に判断されます。

Q:就労移行に通っているだけで不支給になる?

就労移行支援を利用していることで障害年金が不支給になることはありません。
どのようなサポートを受けているか、病状はどうなっているかなどを総合的に見て審査されます。

Q:就労移行支援の支援記録は審査で使われますか?

参考資料として使われることがあります。
サポートの内容などが正しく診断書等に反映されていれば、むしろプラスになります。

障害年金の申請でお困りのときは社労士へ相談を

就労移行支援利用中の障害年金申請は複雑なため、専門の社労士に相談すると受給の可能性が高まります。

就労移行支援と障害年金の併用は制度上可能ですが、「通所状況」と「症状の重さ」の兼ね合いで、審査の判断が複雑になりがちです。

「自分の場合はどうか?」という個別の不安を解消するには社労士の力が必要です。

社労士は、以下の専門的なサポートを提供します。

  • 医師への伝え方をアドバイス
  • 就労移行支援の支援記録を審査官に伝わる形に整理
  • あなたの状況を正確に伝える書類を作成

ご自身やご家族の負担を減らし、障害年金の受給の可能性を最大限に高めるために、社労士に相談することをおすすめします。

まとめ

就労移行支援に通っている人でも、障害年金を受け取ることはできます。

就職への一歩を踏み出すために、経済的な安定は欠かせません。

「訓練中だから」と諦めず、障害年金を活用することは、あなたの社会復帰を成功させるための最良の戦略です。

ゆうき事務所は、精神疾患による障害年金に特化した社労士事務所です。

就労移行支援との併用申請の事例も豊富に手がけており、ご利用者様から提供される訓練記録などを活用し、あなたの真の状況を正確に書類に反映させるノウハウを持っています。

「自分の場合はどうなるんだろう?」と迷う時間を、就労訓練の時間に使いませんか?

ご相談は無料です。まずはお気軽にご連絡ください。