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【図解】障害年金診断書チェック完全ガイド|提出前に確認すべきポイント(精神疾患編)

障害年金を申請する際に、最も重要な書類のひとつが「診断書」です。特に精神疾患での申請では、診断書の記載内容が審査結果に大きく影響するといわれています。診断書の誤りは、障害年金の不支給や審査遅延につながる可能性があるのです。

しかし、診断書は専門用語も多く、どの欄をどのように確認すればよいのか迷う方も少なくありません。

この記事では、精神疾患の診断書を確認する際のポイントを図解でわかりやすく解説します。

これから障害年金の申請を予定している方や、すでに診断書を受け取ってチェックしたい方は、ぜひ参考にしてください。

精神疾患の障害年金診断書チェックポイント【図解解説】

精神疾患で障害年金を申請する際は、診断書のチェックを必ず行いましょう。

障害年金の診断書はA3用紙両面にわたり、氏名・住所などの基本情報から、初診日や病歴、日常生活の状況まで細かく記載されます。

特に精神疾患の場合、病状は数年にわたり変化するため、記入漏れや誤解があると審査に大きな影響を及ぼす可能性があります。

精神疾患の障害年金診断書でチェックするポイントは次の9つです。

  1. 氏名や住所等の確認
  2. 傷病名や傷病の発生日
  3. 初診日・発症日
  4. 育成歴や治療歴の確認
  5. 障害の状態
  6. 障害年金の日常生活能力
  7. 就労状況の確認
  8. 現症時の日常生活能力や労働能力
  9. 障害年金診断書の予後の記載

順を追って確認していけば、初めての方でも診断書のチェックがスムーズに行えるようになります。

1)氏名や住所等の確認

まず最初に確認すべきポイントは、氏名や住所などの基本情報が正しく記載されているかです。

障害年金診断書(精神)氏名欄部分
出展:診断書(精神の障害)一部抜粋|日本年金機構

障害年金の診断書は記載する部分が多く、医師が記載する過程で誤字や記入漏れが起こることも珍しくありません。

基本的な情報が正しく記載されているかをチェックしましょう。

【氏名や住所等欄のチェックポイント】

項目確認内容
氏名年金請求書と一致しているか
住所郵便番号・都道府県・市区町村まで正確か
生年月日記載漏れや誤記がないか

社労士溝上裕紀
溝上社労士

年金請求書の内容と一致していないと、審査の途中で訂正や差し戻しが発生し、障害年金の受給までに余計な時間がかかってしまうことがあります。

(2)傷病名や傷病の発生日など

傷病名や発生日の記載は、障害年金の審査に直結するため、必ずチェックすべき重要項目です。

障害年金診断書(精神)傷病名等の部分
出典:障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領(一部抜粋)|日本年金機構

「傷病名」や「傷病の発生日」については、以下を必ず確認しましょう。

項目確認内容
傷病名・うつ病、統合失調症などの具体的な病名が記載されているか・ICD-10コードが正しく書かれているか
発症日・「傷病の発生年月日」が記載されているか
初めて医師の診療を受けた日・「初めて医師の診療を受けた日」が明確に記載されているか
申立日との一致・本人の申し立て日と診断書の記載が一致しているか
MEMO
「ICD-10コード」は国際的な病名分類で、障害年金の審査で診断内容を正確に判断するために用いられます。

(3)初診日・病歴欄の確認

初診日の確認は、障害年金の診断書チェックにおいて最も重要なポイントの一つです。

診断書に初診日や聴取年月日がきちんと記載されているかを必ずチェックしてください。

障害年金診断書(精神)初診日・病歴欄
出典:診断書(精神の障害)一部抜粋|日本年金機構

障害年金の審査では、初診日がいつかによって受給資格や遡及請求の可否が決まります。もし診断書に漏れや誤りがあると、初診日が証明できず、障害年金の申請自体が認められないケースもあります。

社労士溝上裕紀
溝上社労士

さらに、遡及請求を考えている場合、初診日の記載ミスは大きな不利益につながります。診断書を受け取ったら、必ず初診日と発病日の欄を慎重にチェックしましょう。

(4)育成歴や治療歴の確認

育成歴や治療歴の記載は、初診日から現在までの治療経過が正確に記録されているかを必ずチェックしましょう。

障害年金診断書(精神)治療歴欄
出典:障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領(一部抜粋)|日本年金機構

育成歴・治療歴の記載は、障害年金の審査で重要な判断材料になります。

【育成歴・治療歴のチェックポイント】

項目確認内容
治療経過・初診から現在までの通院先が漏れなく記載されているか
・治療期間にズレがないか
医療機関情報・受診した病院・診療所の名称が正確か
・通院順序が正しく記載されているか
記載の整合性・他書類(申立書など)と矛盾がないか
・複数の通院先がある場合、順序や期間が整理されているか
MEMO
受診した医療機関や治療期間に誤りやもれがあると、診断書が受理されなかったり、審査中に差し戻される可能性があるので丁寧にチェックしてください。

特に精神疾患の場合、通院先が複数になることもあるため、診断書を受け取ったら育成歴・治療歴を順番に確認しましょう。

(5)障害の状態

「障害の状態」欄は、障害年金の審査で最も重視される部分です。現在の症状が具体的に記載されているかを確認しましょう。

障害年金診断書(精神)障害の状態欄
出典:障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領(一部抜粋)|日本年金機構

「障害の状態」欄についてのチェックポイントは次のとおりです。

「障害の状態」欄についてのチェック
  • 現症の年月日の記載漏れがないか
  • 症状の具体性があるか(例:不眠・妄想・対人関係の困難など)
  • 投薬や通院の頻度が正しく書かれているか
  • 治療が継続しているかどうか記載されているか

診断書を受け取った際には、症状の具体性や治療状況をチェックしてください。

(6)障害年金の日常生活能力

日常生活能力の記載は、障害年金の診断書で重視される項目のひとつです。

障害年金診断書(精神)日常生活状況欄
出典:障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領(一部抜粋)|日本年金機構

日本年金機構は、精神疾患の方が「一人で暮らした場合にどこまで生活できるか」を基準に審査します。

社労士溝上裕紀
溝上社労士

診断書をチェックする際は、記載内容が実際の生活状況と一致しているかを重点的に確認しましょう。

【日常生活能力のチェックポイント】

項目確認内容
食事自分で準備・摂取できるか
着替え家族の補助なしで行えるか
入浴誘導や補助が必要かどうか
金銭管理支払い・管理が自立してできるか
対人関係社会的交流が自立して行えるか

障害年金の等級判定に直結する部分なので、診断書の記載が曖昧でないかをしっかりチェックすることが大切です。

精神疾患での障害等級を判定する基準については、下記の関連記事で詳しくご紹介しています。

▶【精神疾患で障害年金を申請する方へ】等級判定ガイドラインをわかりやすく解説

(7)就労状況の記載

就労状況の記載は、障害等級判定に直結する大切な部分です。

障害年金の審査では、働いているかどうかだけでなく、働き方や支援の有無まで細かく確認されます。

出典:診断書(精神の障害)一部抜粋|日本年金機構

診断書を提出する前に、以下の点を必ずチェックしましょう。

就労状況欄のチェックポイント

就労中の場合・短時間勤務や軽作業などの配慮が記載されているか 
・上司や同僚の支援を受けていることが書かれているか
無職の場合・「働けない理由」が具体的に記載されているか 
・福祉サービスや就労支援を利用している場合、その内容が書かれているか

診断書の就労状況の記載は、実際の生活や労働能力を反映する重要情報です。申請前に丁寧にチェックし、障害年金の審査に備えましょう。

(8)現症時の日常生活能力や労働能力

現症時の日常生活能力や労働能力は、障害年金の診断書チェックで重視されます。

この欄では、障害によってどの程度生活や仕事に制限があるかを具体的に示す必要があります。

障害年金診断書(精神)現症時の日常生活能力等の欄
出典:障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領(一部抜粋)|日本年金機構

診断書を確認するときは、以下のようなポイントをチェックしましょう。

【現症時の日常生活能力や労働能力欄のチェックポイント】

日常生活・食事や入浴、買い物など基本的な生活が自力で行えるか ・家族や周囲の支援がどの程度必要か など
労働能力・週にどのくらい働けるのか・短時間勤務や軽作業など、制限があるかどうか
社労士溝上裕紀
溝上社労士

必ず生活や仕事の実態に即した内容かをチェックし、日常生活や労働の困難さがきちんと反映されているかを確認してください。

(9)障害年金診断書の予後の書き方

障害年金の診断書では、予後欄に「今後の見通し」が必ず記載されているかをチェックしましょう。

障害年金診断書(精神)予後欄
出典:障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領(一部抜粋)|日本年金機構

予後は、病状が安定しているのか、悪化や改善の可能性があるのかを示す重要な情報で、障害年金の判定にも直結します。

「予後」欄のチェックポイント
  • 「予後良好」「改善の見込みなし」などの具体的な記載があるかテキスト
  • 判断できない場合でも「現時点では不詳」などの表現が入っているか
  • 空欄やあいまいな書き方になっていないか

診断書の予後は、審査側に「今後も継続して支援が必要かどうか」を判断させる材料となります。提出前に必ずチェックし、記載漏れがないかを確認しましょう。

障害年金の診断書チェックが重要な理由

障害年金を受け取れるかどうかは、障害により困っている実態が診断書の内容にどれだけ正確に反映できているかにかかっています。

障害年金は書類審査のみで判断されるため、診断書の記載が不十分だと、本来なら受給できるはずの人が不支給になるリスクがあります。

診断書チェックが重要な理由を整理すると次の通りです。

  1. 障害年金は診断書を中心に審査される
  2. 医師の記載が実生活の困難さを十分に反映していない場合がある
  3. 記載漏れや誤りがあると不利益につながる
  4. 提出前のセルフチェックでリスクを回避できる

医師任せにせず、自分や家族が内容をチェックする姿勢が大切です。障害年金の診断書は、今後の人生に関わる大切な書類ですので、提出前に必ず目を通すことをおすすめします。

提出前にやっておきたいセルフチェックリスト

障害年金の診断書は、提出前にセルフチェックを行いましょう。

以下の表を使って、提出前に必ずチェックすることをおすすめします。

【年金請求書を提出する前に確認しておくポイント】

チェック項目確認ポイント
初診日・発病日の記載医療機関名と年月が正しく記載されているか
記入漏れ各欄に空白がなく、必要事項がすべて埋まっているか
症状の具体性「不眠」「幻覚」「対人関係の困難」など具体的に書かれているか
日常生活能力の判定実際の生活状況と一致しているか、矛盾がないか
就労状況の記載働けない理由や短時間勤務の配慮などが書かれているか
働いている場合は、職場での特別な配慮が記載されているか
通院状況・治療内容投薬・通院頻度など治療の継続が明記されているか
他書類との整合性病歴・就労状況申立書と矛盾がないか
医師の署名・押印最後に医師の署名・押印があるか

表内に出てくる「病歴・就労状況等申立書」とは、障害年金を申請する人が作成する書類で、診断書だけではわからない日常生活でのサポート内容や、職場での様子などを記載します。

病歴・就労状況等申立書の詳細は、病歴・就労状況等申立書は障害年金の重要書類!書き方や記入例もご紹介をご覧ください。

診断書チェックで不安があるときの対応

診断書のチェックに不安があるときは、障害年金専門の社労士へ相談しましょう。

自分や家族で診断書を確認しても、「本当にこれで大丈夫なのか」と迷う場面は少なくありません。障害年金は診断書の内容で受給の可否が決まるため、プロの視点でのチェックが有効です。

社労士に相談するメリット
  • 診断書の記載内容を専門的にチェックしてもらえる
  • 提出書類全体の整合性を確認してもらえる
  • 記載もれがある場合、医師へ依頼する方法をアドバイスしてもらえる
  • 不支給のリスクを下げられる可能性が高まる

障害年金の申請は一度の書類提出で結果が決まります。診断書に不安があるときは、専門家にチェックを依頼して万全の状態で提出しましょう。

社労士に依頼するメリットの詳細は、障害年金の申請を依頼するメリットは4つ!【社労士の選び方もわかりやすく解説】をご覧ください。

まとめ

診断書チェックは、障害年金の受給可否を左右する重要なステップです。自分や家族で確認しながら、記載内容に不安がある場合は、障害年金専門の社労士に相談して万全の状態で提出しましょう。

ゆうき事務所では、社労士が丁寧にヒアリングを行い、あなたの障害年金申請をサポートします。うつ病やADHD、ASDなどの発達障害などメンタル疾患での障害年金でお困りのときは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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