更新日:2026.09.10
障害年金は申請から受給までどのくらい?入金までの期間を社労士が解説
「審査、思ったより時間がかかってない…?」
障害年金の結果を待っている間、そんな不安を感じる方は多いものです。
正直なところ、障害年金は申請してすぐに振り込まれる制度ではありません。日本年金機構での審査に時間がかかり、支給が決まってから年金証書が届き、そこからさらに待ってようやく初回の振込となります。
この記事では、障害年金の審査にどれくらい時間がかかるのか、年金証書が届いてから実際にお金が振り込まれるまでの日数、そして2回目以降はいつ振り込まれるのかまで、順番にわかりやすくお伝えします。
障害年金は申請から入金まで「平均4か月〜5か月半」
障害年金は、申請してから実際に口座へ入金されるまで、平均して4か月〜5か月半ほどかかります。
内訳は次のとおりです。
| 段階 | 期間の目安 |
|---|---|
| 申請〜審査結果(証書到着)まで | 3か月ほど (令和6年度実績の平均は65.1日) |
| 証書到着〜初回振込まで | 50日程度 |
障害年金申請から入金までの見通しを持っておくだけでも、結果を待つ間の不安は少し和らぐはずです。
障害年金の申請から受給までの流れ
障害年金は、次のような流れを経て入金に至ります。
- 診断書や申立書などの必要書類を準備する
- 年金事務所や年金相談センターへ書類を提出する
- 日本年金機構で審査が行われる
- 審査の結果が決まり、年金証書が自宅に届く
- 指定した口座へ年金が振り込まれる
審査の結果、支給が認められた場合は「年金証書」と「年金決定通知書」が届きます。
一方、認められなかった場合は「不支給決定通知書」が送られてきます。
書類準備から提出までのより詳しい手順は、障害年金の手続きの流れを徹底解説!申請から受給までの7ステップでご紹介しています。
障害年金の審査期間の目安は3か月「精神疾患は時間がかかりやすい」
障害年金の審査には、日本年金機構が定めた目標期間があります。
公表されている目標(サービススタンダード)と、令和6年度の実績は次のとおりです。
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| サービススタンダード(目標) | 3か月 |
| 令和6年度の達成率 | 95.1% |
| 令和6年度の平均所要日数 | 65.1日 |
ただし、この期間はあくまで平均であり、早ければ1か月半ほどで終わることもあれば、半年以上かかることもあるなど、傷病によって差が出やすいのが実情です。
精神疾患の場合、診断名だけでなく日常生活の様子や就労状況まで幅広く確認されるため、認定基準に幅があり、判断に時間がかかりやすい傾向があります。
てんかんのように、発作の頻度や日常生活・仕事への影響から総合的に判断される傷病も、同様の理由で時間がかかりやすくなります。
一方、人工関節や人工透析のように状態と等級の対応があらかじめ決まっている傷病は、比較的短い期間で審査が終わりやすいです。
また、障害認定日にさかのぼって申請する「遡及請求」は、複数の時点の診断書を提出する必要があるため、通常よりも審査に時間がかかりやすくなります。
障害の程度を判定する基準日のこと
診断書の内容が審査に与える影響については、障害年金の審査は診断書で決まる?知っておきたい注意点と社労士のサポートで詳しく取り上げています。
てんかんの認定基準や審査のポイントについては、てんかんで障害年金はもらえる?認定基準・金額の目安・手帳まで社労士が解説をご覧ください。
障害年金の審査期間が長引く原因は「返戻」と「医師照会」
審査期間が延びる代表的な原因が「返戻」(へんれい)です。返戻とは、日本年金機構が書類の追加提出や訂正、内容の確認を求めることで、審査がいったん中断してしまう状態を指します。
返戻には2つの種類がある
返戻には大きく分けて2種類あり、審査への影響も異なります。
| 返戻の種類 | 審査への影響 |
|---|---|
| 記載漏れ・必要書類の不足など単純な不備 | ・指示どおりに対応すれば、審査への影響は少ない |
| 初診日や障害の状態など、支給の可否を左右する重要な確認 | ・医師照会に発展することもある |
「返戻が来ると不支給が決まったようなもの」というのは誤解です。書類を整えて対応すれば、審査は再開されます。
医師照会が入るとさらに時間がかかる
返戻が1回入ると数週間〜1か月ほど審査期間が延び、複数回続けば半年を超えて長引くこともあります。
さらに深刻なのが、日本年金機構が診断書の内容について主治医へ直接確認する「医師照会」です。これが入ると、審査は長引くと考えておいたほうがよいでしょう。
審査状況は電話で確認できますが、教えてもらえるのは「審査中か、終了しているか」まで。
支給・不支給という結果そのものは、自宅に届く通知を待つほかありません。
返戻・医師照会が起こりやすいケース
返戻や医師照会は、次のようなケースで起こりやすくなります。
- 初診日が確定しないまま書類を提出した場合
- 最初に受診した病院が閉院していて証明書を取得できない場合
- 転院を繰り返していて受診歴が複雑な場合
- 診断書と病歴・就労状況等申立書の内容に食い違いがある場合
- 医療機関にカルテの開示を求める必要が生じた場合
こうした返戻や医師照会を防ぐために書類を丁寧に整えることは、審査をスムーズに進めるうえで大切なポイントです。
仮に不支給となった場合、決定に不服があれば審査請求という制度もありますが、認められるまでにはさらに時間がかかるうえ、実際に決定が覆るケースは限られており、ハードルは高いのが実情です。
時間や労力をかけて審査請求に臨むより、最初の申請書類をできる限り正確に整えておくほうが、結果的に負担は少なくて済みます。
申立書と診断書の内容を揃えるコツは、病歴・就労状況等申立書の書き方のコツは5つ!障害年金の重要書類で失敗しないためのポイントを参考にしてください。
こちらの動画でも申立書について取り上げていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
審査が長引いても年金額は変わらない「支給開始が遅れるだけ」
障害年金の審査に時間がかかると、「待った分だけ受け取れる金額が減ってしまうのでは」と心配になる方は多いです。
しかし、障害年金は申請のパターンごとに決まっている「権利が発生する月」から、審査中の期間も含めてまとめて支給される仕組みになっているため、審査の長さによって年金の総額が減ることはありません。
申請方法ごとに、権利が発生する月(支給が開始される月)は次のとおりです。
| 申請のパターン | 支給が開始される月 |
|---|---|
| 通常の申請 (障害認定日の時点で認められた場合) | 障害認定日の翌月から |
| 20歳になる前から障害がある場合の申請 | 20歳になった月の翌月から |
| あとから症状が悪化して認められた場合 (事後重症請求) | 申請した月の翌月から |
例えば通常の申請であれば、審査に数か月かかったとしても、初回の振込の際には障害認定日の翌月分からまとめて支給されます。
生まれつきの障害など20歳になる前から症状がある場合も同様に、20歳になった月の翌月分からまとめて支給されます。
つまり、審査が長引くことで生じるのは振込が始まるタイミングの遅れであって、受け取れる年金の総額が目減りするわけではありません。
年金証書が届いてから約50日で初回入金
審査を終えて支給が認められると、まず自宅に年金証書が届きます。
ここで安心してしまいがちですが、証書が届いてすぐに振り込まれるわけではなく、そこからおおむね50日以内に初回の振込が行われます。
年金証書の発行時期による、初回振込の目安は次のとおりです。
| 証書の発行時期 | 初回振込の目安 |
|---|---|
| 月の前半 | 翌月の15日 |
| 月の後半 | 翌々月の15日 |
振込の直前、支給月の10日ごろには「年金振込通知書」が自宅に届きます。
実際に振り込まれる金額を事前に確認できるので、通知書が届いたら内容をチェックしておきましょう。
障害年金の2回目以降の支給日はいつ?
初回の振込が終わると、2回目以降は決まったリズムで支給されるようになります。
| 障害年金の振込日 | 振り込まれる月数 |
|---|---|
| 偶数月の15日 (2月、4月、6月、8月、10月、12月) | 前々月分と前月分の2か月分をまとめて振り込まれる |
15日が土日祝にあたる場合は、直前の平日が振込日になります。
最初の振込だけは証書の発行時期に左右される特別なスケジュールですが、2回目以降は偶数月15日という決まったリズムになるので、一度覚えてしまえば安心です。
障害年金の初回振込額が人によって大きく違う理由「遡りがある人は最大5年分」
「同じ時期に申請した知人と、初回の振込額が全然違う」という声を聞くことがありますが、これは珍しいことではありません。
初回振込額が大きく異なる主な理由は、申請方法の違いにあります。
遡及請求が認められた場合
障害認定日にさかのぼって受給が認められる「遡及請求」の場合、認定日の時点から現在までの分がまとめて支給されるため、初回の振込額が大きくなります。
ただし、さかのぼれるのは時効により最大5年分までで、それより前の分は原則として受け取れません。
なお、年金記録の訂正や日本年金機構側の事務処理誤りが認められた場合は、「時効特例給付」として5年を超える分も例外的に支給されることがあります。
詳しくは、障害年金の遡及請求は難しい?受給の条件・必要書類を社労士が詳しく解説 をご覧ください。
こちらの動画でもわかりやすく解説していますので、あわせてご覧ください。
事後重症請求の場合
一方、障害認定日の時点では等級に該当せず、その後症状が悪化してから申請する「事後重症請求」は、申請した月の翌月分からの支給となり、遡って受け取れる分は発生しません。
そのため、初回の振込は1〜2か月分程度になります。
詳しくは、障害年金の事後重症請求とは?いつからもらえる?年金額や必要書類、申請の流れもご紹介をご覧ください。
こちらの動画でさらに詳しく取り上げています。
「知人と金額が違う」からといって、ご自身の認定内容に問題があるわけではありません。申請方法の違いによる差だと理解しておけば、必要以上に不安になることもなくなるでしょう。
参考:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
障害年金の審査を待つ間、不安なときにできること
実は、障害年金の不支給率は年々上昇しており、令和6年度は13.0%です。
不支給が増えている背景については、障害年金の審査は厳しい?不支給率13.0%へ急増した理由と受給のポイントを解説 をご覧ください。
不支給になる可能性が誰にでもある以上、結果を待つ間に不安を感じるのは自然なことです。
「思ったより時間がかかっている」「このまま連絡が来なかったらどうしよう」といった気持ちになる方も多いでしょう。
そんなときにできることのひとつが、日々の生活状況や体調の変化を記録しておくことです。特に、次のような内容をメモしておくと役立ちます。
- その日の体調や気分の変化
- 通院日と診察内容、服薬の状況
- 家事や外出など、できたこと・できなかったこと
- 仕事や対人関係で困った場面
これらの記録は、審査結果を待つ間の気持ちの整理になるだけでなく、将来の更新手続きの際にも役立ちます。
書類の準備や審査の進み方について自分だけで対応するのが難しいと感じたときは、社会保険労務士に相談するという方法もあります。
専門家の視点が入ることで、見落としていた点に気づけることもあるでしょう。
公式YouTubeでは、信頼できる社労士の見極め方について解説しています。
年金証書が届いたら確認すべき5つのポイント
年金証書が届いたら、内容にひととおり目を通しておきましょう。
特に確認しておきたいのは、次の5つのポイントです。
- 年金の種類
(障害基礎年金か障害厚生年金か) - 認定された障害等級
- 年金額
(障害基礎年金・障害厚生年金それぞれの内訳) - 支給開始年月
- 次回の更新時期
(更新の2〜3か月前に案内が届く場合や、更新のない永久認定の場合があります)
特に支給開始年月と年金額は、実際の振込のタイミングや金額と食い違いがないか照らし合わせておくと安心です。
記載内容に疑問があれば、年金事務所に確認しましょう。
また、万が一証書を紛失してしまった場合は、年金事務所や街角の年金相談センターで「年金証書再交付申請書」を提出すれば再発行できます。
更新手続きの具体的な流れは、障害年金の更新は難しい?手続きの流れや注意するポイントをご紹介で確認できます。
障害年金の申請でお困りの方へ
社会保険労務士法人ゆうき事務所(大阪障害年金サポートデスク)は、発達障害やうつ病などのメンタル疾患に特化した障害年金専門の社労士事務所です。
社労士が丁寧にヒアリングをして、あなたの症状やライフスタイルに合わせてサポートします。
初回は無料で相談できますので、ぜひお問い合わせください。
まずは無料相談から始めませんか?
障害年金の専門家が、あなたの状況に合わせて
丁寧にサポートいたします
受付時間:平日 09:00〜18:00